介護施設の崩壊
私が勤める歯科では老齢の先生だけが2重マスクとフェイスシールドをしていましたが、その他の看護師は1日1枚のマスクだけでした。私たち受付はマスクさえありませんでした。
私たちもマスクをしたかったのですが、接客業務という事で許してはもらえませんでした。
多くの患者さんとはスムーズな受付・会計ができるのですが、時々治療内容や支払い・噛み合わせなどの件で大声でクレームを言う患者さんがおられます。
大抵そうした患者さんはお年寄りで耳が遠いために大声になっていて悪気はないのですが、飛沫がとてもイヤでした。
最初私の同僚の受付の女性が風邪で欠勤しました。
次に歯科衛生士が風邪で欠勤しました。
欠勤数は徐々に増えていきました。
危機感を感じた先生は保健所と他の医療機関に相談していました。
欠勤者の中の1人のレントゲンを撮影したところ肺炎が見受けられ、発熱と味覚異常も発症していました。
先生・出勤している職員・欠勤している職員、全てにPCR検査が行われました。
私はタクシーで病院に行きました。
そこで私は看護師に来院方法について訊かれました。
私はタクシーで来たことを伝えました。
すると公共交通機関で来ないように言われました。
私は自分が感染者である可能性があることを知らされました。
そうです。私はコロナウィルスを広める側の人間らしいのです。
この時点で病院は閉鎖となり、全員が自宅待機となりました。
中には入院した歯科衛生士もいるようでした。
私が勤めている病院は熱と咳がある患者さんは治療を断っていました。
いつ、どこからコロナウィルスが侵入してきたのでしょうか。
私を含めて多くの人が陽性になりました。
私はいたって元気でした。
先生は幸いにも陰性でしたが、とうてい病院を開業することはできませんでした。
陽性・陰性に拘わらず辞職した歯科衛生士が数人いると聞いています。
この先、うちの病院はどうなるのでしょうか。